変形労働時間制

 

 

 

Q 1日8時間、1週40時間という法定労働時間があることは知っています。当社は卸売業です。年間カレンダーで休日を決めていますが、40時間を超える週と祭日などがある週では40時間より少ない週もあります。時間外労働を縮減したいのですが、る変形労働時間制というのがあると聞きましたが、当社はあてはまりませんか。

 

 

 

お答えします

 

 1ヵ月単位の変形労働時間制を適用できるかもしれません。

 

 

 1ヵ月単位の変形労働時間制(労基法 32条の2)

 

 変形制を実施しようとする1ヵ月(または1か月以内の一定期間=例えば4週間)(変形期間と呼びます)を平均すれば週の法定労働時間を超えない場合、1週40時間、18時間を超えることが可能です。就業規則に定めるだけで実施できるのが、この制度の特色です。

  事前に各日の労働時間の定めをしておくことが必要ですので、今週は合計38時間だったので来週は

 42時間にする、というのは認められません。

   

 ただし、10人以上の事業所は就業規則の届け出は必要です

 

  

 

 

    1 18時間労働の例外としての変形労働時間制が労基法に定められています。、1ヵ月単

      位、1年単位、1週単位、フレックスタイム制の4種類です。

 

    2 従業員の過半数代表との労使協定の締結が義務づけられており、労使協定の届出や就業規

      則の整備も必要です。(1ヵ月単位は就業規則のみで可)

 

    3 変形労働時間制の場合であっても、あらかじめ法定の8時間を超えるて労働させることが

      できる日や法定の40時間を超えて労働させることができるように定めてある週に、そ

      の時間超えて労働させれば、超えた時間は時間外労働となりますので時間外割増賃金

      の支払いが必要です。さらに、変形期間に対応した法定上限を超えて労働した時間にも、

      時間外割増の支払いが必要ですので計算が複雑になる場合があります。

 

 

 

 

ご参考

 

変形労働時間制

 

 

 

4種類の変形労働時間制

 

 18時間労働制の例外として認められる変形労働時間制には、1ヵ月単位(1ヵ月以内)1年単位(1ヵ月を超えて1年以内)、1週単位、それにフレックスタイム制の4種類があります。これらの変形労働時間制の場合、一定期間を平均して週の法定労働時を下回れば、特定の日に8時間を超えて働かせることができ、時間外労働を削減でき、枠内であれば割増賃金を払わなくてすみます。

 

 

 

1 1ヵ月単位の変形労働時間制(32条の2)

 

 変形制を実施しようとする1ヵ月以内の一定期間(変形期間と呼びます)を平均すれば週の法定労働時間を超えない場合、18時間を超えることが可能です。就業規則に定めるだけで実施できます。

 

 

2 1年単位の変形労働時間制(32条の4)

 

  変形制を実施しようとする1年以内(1ヵ月超)の一定期間を平均すれば週40時間を超えない場合に、110時間152時間までの労働が可能です。業務実態に会わせて2ヵ月単位、3ヵ月単位なども可能です。季節などで繁閑差が大きいとき利用価値があります。具体的ま労使協定を締結することが必要になります。

 

 

3 1週間単位の非定型的変形労働時間制(32条の5)

 

 1週の労働時間が40時間に収まっている限り、110時間までの労働が可能です。日ごとに業務の繁閑が生じ、小規模であるため対応が困難な事業所のためのものですから、従業員30人未満の小売業、旅館、料理店、飲食店に限定され、労使協定を締結するとともに、本人に各日の労働時間の事前通知をすることが必要です。

 

 

4 フレックスタイム制(32条の3)

 

 1ヵ月以内の一定期間を平均すれば週の法定労働時間を超えない場合は、対象期間の総労働時間を定めるだけで、労働者がその範囲内で各労働日の始業・終業時刻を自由に決められる制度です。

 

 ただし、通常は1日を必ず勤務しなければならない時間(コアタイム)と勤務時間を自由に決定できる時間(フレキシブルタイム)に分けて実施します。実施には労使協定が必要になります(労基署への届出は必要ありません)。

 

 

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